夏休みの8/7(水)、障害のあるお子さんに付き添い、普段なかなか行きづらい場所へのお出かけをサポートする活動に、CEC青山学生スタッフが参加しました!活動の概要と参加した学生スタッフからの報告をご紹介します。
(※このたび機会を作ってくださった居宅介護・移動支援事業「結び-me」さんが、当日の様子をブログで紹介くださっていますので、併せてぜひご覧ください。→ こちら)
1.活動の概要(当日の流れ)
10:00 子どもたち・結び-meの方・他大学学生と合流
10:30 水族館(午前担当の子)
12:00 イルカショー(午後担当の子)
12:30 お昼ご飯
13:30 写真撮影・お別れ・ボランティアメンバーで振り返り
14:00 解散
2. 学生スタッフから
新井真由子
● 活動に参加して
「障がい」と一口にいっても色々な特性を持った子がいて、疲れるとすぐに座り込んでしまう子や、自分の体を叩いたり声が出てしまう子など、最初は接し方に戸惑うこともありました。しかし、ヘルパーさんの関わり方を側で見ていると、それぞれの子どもの特性や性格に合わせ、その子の目線になって向き合うことが一番大切なのだと感じました。例えば魚や生き物に興味を示さなくても、水の中にできた泡など、何か別のものに興味がありそうならそこで時間を過ごさせてあげたり、食事の時に、自分で食べるのが難しくても、やりたそうなところは自分でやらせてあげるなど、子どもと関わっていく中で、いかにその子の気持ちを理解しようとするかが重要なのだと学びました。
● 今後に向けて
結び-meスタッフのお一人のお子さんに障がいがあり、「以前、ヘルパーさんに外に連れ出してもらったことでたくさん助けられたので、次は自分が恩返しをしたい」と話されていたことが印象に残りました。「障がいは他人事ではなく、いつ自分が当事者になるかわからない」というお言葉もあり、世間の大多数の人の無知や偏見によって苦労している人たちがいることを、今回知れたことをきっかけに、今後もアンテナを張って色々なことを学び続け、そのような人たちの助けに少しでもなれるようになりたいと思いました。
色々な特性や価値観を持った人と共生を目指す「多文化共生社会」という言葉をよく聞きますが、自分と人生で何の関わりもなかった他人のことを知り、理解して尊重するのはとても難しいと思います。電車や学校など日常の場面で、少しでも気になる人がいたなど、ちょっとしたきっかけから、周りの色々な人の背景を理解し、尊重できるよう心がけたいと思います。
金谷航太郎
● 活動に参加して
対話をすることが苦手であったとしても、喜怒哀楽を表現してくれるので、少しでもただ一緒に歩いているだけでなく、魚の泳ぎ方の真似を一緒にしたり、魚を追っかけたりして楽しくなる空間作りを意識しました。
私はこれまで海外や、地方自治体でのボランティア経験はありましたが、障がいある人に関わるボランティアは初めてで、果たして自分がサポートし切れるか不安がありました。しかしいざ始めてみると、気持ちを体全体で表現してくれて、心が通じ合っていました。特に数少ない発話が見られた時は達成感がありました。
● 今後に向けて
私の目標として、さまざまな領域でボランティア経験を積むことで、社会で助けを求めている人や困っている人には、日頃からサポートできるように意識をしていきたいです。
私の家の近くに医療施設があり、障害や病気を抱える子どもが生活しています。親の世代では障害を持った子どもたちに折り紙を教えたり学習の基礎をサポートしたりするボランティアが普及しているイメージがあります。そういう施設でのボランティアには特別な手続きが必要ですが、それ以外にもボランティアの機会があるので、今回の経験をきっかけにネクストアクションを取ろうかと考えています。
キムジェユン
● 活動に参加して
単にボランティアをしたという以上に得たことがあった活動でした。一緒に時間を過ごした子どもの目線から水族館を回ることで、彼らが何を考えつつどういう目線で物事を認識しているのかについて学びになりました。休みの日に、貴重な時間をついやしてくださったヘルパーの方、子どもたち、結び-meの方、そして一緒に活動した学生の方々に感謝します。お陰で自分がこれからやっていくボランティアというカテゴリーについてより具体化ができました。今回は実際子どもさんとのコミュニケーション時間が相対的に短かったので、自分の能力不足もありますが、次回機会があれば学生と子どもとの間でより活発なコミュニケーションが行いたいです。どうもありがとうございました。
鈴木遥香
●活動に参加して
今回の活動を通じて、やはり個々の性格によって子どもの行動が全然違うことに気が付きました。午前中に一緒に回った子はあまり喋らず、じっと魚を観察して笑顔を見せてくれることで楽しんでいると分かる子でした。メリーゴーランドを指差して「乗りたい!」と言うなどテンションが上がっている場面もありましたが、基本的にずっとにこにこしていて、発語自体は少ない印象でした。それに対して、午後に担当した子は身振り手振りを使って大きな声で感情を表す子でした。イルカショーを見て飛び跳ね、「すごい!すごい!」と連呼していました。このように個人の性格によって全然違いますが、共通しているのはよく笑うということです。今回一緒に行動した二人はダウン症でしたが、ダウン症の子は「天使の子」と聞いたことがあります。一緒に行動するなかで、性格が穏やかで優しく、本当に天使のような心を持っていると感じました。また、全く人見知りをしていないのは、普段からヘルパーさんやボランティアなど、「初めまして」の人とよく会っているからではないかと思いました。
●今後に向けて
今回のボランティアで初めて知的障がいを持つ子と関わりました。実際に知的障がいを持つ子の手伝いを体験したことで、イルカに興味津々なところやテンションが上がって笑顔になるところなど、何一つ私と違わないと分かりました。世の中には、目に見える差別と目に見えない差別があると思います。目に見える差別は、態度で表したり言葉にして発することです。目に見えない差別は態度には出さないものの、心の中でしてしまっている差別です。私は、知的障がいを持つ方に対して目に見えない差別をしている人がとても多いと思っています。(心の中で思っているからこそ、態度に出てしまう人もいるのだと思います。)私は、今回のボランティアを経験し、目に見えない、心の中で差別している人を少しでも減らしたいと思いました。そのために、より多くの人が知的障がいを持つ子と関わる機会を得たり、知的障がい者について学ぶ機会の提供ができたら良いと考えます。また、電車の席を譲ったり、困っていそうなら手伝ったり、日常の些細なことから相手を想う行動ができる人が増えると良いと思います。意外と多くの人ができていないことも、まずは自分が実践するよう心がけ、目に見えない差別がなくなる世の中を目指したいと考えました。
中尾真優
● 活動に参加して
子どもと接するボランティア自体が初めてで、しかも障がいを持った方のサポートだったため、正直最初は不安ばかりでした。
でもいざ、子どもたちとヘルパーさんと対面すると、とにかくみんな楽しそうで、ヘルパーさんたちの行動を見よう見まねで最初は活動していました。徐々に、その子が何をしたいのか、どんな声がけ(お話ができない子であれば、イエスかノーの質問にするなど)をするべきかなどがわかるようになり、最終的には自分なりに子どもたちの思い出作りのサポートができてよかったなぁと思いました。最初こそ、障がいという言葉がネガティヴに捉えられていたものの、接して行く中で、他の子と変わらないじゃないか!という気づきが多くありました。その上で、最後のミーティングでヘルパーさんがおっしゃっていた「自分ごととして考えてみてください」という言葉がとても印象に残りました。きっと、不安を感じていたのは、初めてのことだから、そして自分とは関係ないと思っていたからではないかと、あとから考えるきっかけになりました。
● 今後に向けて
今回私が担当した2人のお子さんはどちらもダウン症の方でした。今回のボランティア活動を通して、さまざまな障がいを持った方がいらっしゃるということをよく知ることができましたが、まずは自分が関わった(ダウン症)という障がいについて知っていきたいと思います。そして、結び-meさんが開催されている講義などを受けたり、また今回のような活動に参加して、障がいを持った子との関わり方を学びたいです。そして、それを活かして親としても、社会のなかのひとりの大人としても成長していきたいと思います。
星亮成
●活動に参加して
午前中に水族館を一緒にまわった子は、自閉症で知的障害のある高校一年生の男の子で、コミュニケーションを取ることは難しいものの、こちらの伝えたいことを汲みとってくれている様子でした。アンパンマンが好きでたくさんのキャラクターを覚えているようで、キャラクターの名前を繰り返し言っていました。肘をぶつけて痛がる時には「ムシバキンマン」や「ホラーマン」といった悪役が出てきたり、ポップコーン屋さんの前を通った時にだけ「メロンパンナちゃん」が出てくるなど、どれも彼なりの意味があるのではないかと感じました。
ヘルパーの方の話によると、利用者の中には自発的にトイレに行くことができない方もいらっしゃるそうです。男性の利用者が多い一方でヘルパーは女性が多いため、トイレの付き添いに難しさがあると仰っていました。また、今回担当した子のように体も大きくなり力が強くなってくると、突発的に走り出したりしたときなど、女性のヘルパーだけでは抑えきれない場面も出てくるのではないかと感じました。
午後に一緒にイルカショーをみた子は、小学一年生の男の子で、発語はあまりなく大人しい印象でした。ショーを観ている間には拍手をしたり、楽しそうに笑う場面も多くありました。双方向の会話は基本ありませんが、「水がバーってなるよ(水がかかるよ)」と声をかけたときに一度だけ「バー(水しぶきがあがるマイム)」と反応してくれたので、こちらの発言の意図は伝わっているのだと感じました。人見知りはあまりしないようで、移動する際にはその子の方から手をつないで歩いてくれました。お昼ご飯を食べるためにフードコートに行ったところ、たこ焼きとカレーに反応して、自発的にバターチキンカレーを指さしました。食べ方に彼なりのこだわりがあるようで、お皿の右側から少しずつ食べ進めていき、先にライスをほとんど食べ終えてからルーを食べていました。じゃんけんをしたり、1から10までを指折りで数えたり、食後にはトレイを自分で下げるなど、自力でできることも多いようでした。
●今後に向けて
これまで障がい者(児)に関わる機会があまりなく遠い領域のものとして扱っていましたが、今回の体験を通じてより身近に感じ、具体的な形で自分の中に落とし込むことができました。また二人の子と接するなかで、障がい者や健常者といった定義は、便宜上線引きがされているだけで曖昧なものだとも感じました。例えば、眼鏡が発明される以前は、視力が悪い人とそうでない人の間にも線が引かれていたのではないかと考えます。得意なこと、不得意なことの分野や度合いが異なるだけで地続きなはずなのに、線が引かれているために同じだという意識が希薄化してしまっており、そのため、体験前の私のようにどこか他人事のように思っている人が多いのではないかと考えました。今後の学生スタッフとしての活動のなかでも、自分自身のなかにある無意識の差別意識にも目を向けながら、取り組んでいきたいと思います。