笹塚・幡ヶ谷エリアで「地域の縁をつなぐ」活動をされている一般社団法人 TEN-SHIPアソシエーションさんとの共催で、今年も「夏の草むしり隊ボランティア」を実施しました。
「夏の草むしり隊ボランティア」は、大学生が地域で生活されているお年寄りのお宅に伺い、高齢などの理由で一人では難しい庭の草むしりのお手伝いをする活動です。活動を通じて、普段は見えにくい地域の問題に触れ、考える機会として、昨年度から実施しています。
今年はCEC青山学生スタッフが活動に参加し、3日間にわたって笹塚・幡ヶ谷エリアの5つのお宅を訪問しました。活動の概要と参加した学生スタッフからの報告をご紹介します。
1.活動の概要(当日の流れ)
9:00 ボランティアメンバー集合、活動説明、移動
10:00 訪問先で草むしり
11:00 活動終了、移動
11:10 ボランティアメンバーで振り返り
11:30 解散
2. 学生スタッフから
新井真由子(文学部・4年)
伺ったお宅は、一人暮らしの高齢女性の方の一軒家で、お庭の草むしりを手伝いました。暑い中の作業で、1時間でも体力が奪われ、かなり汗をかくほどでしたが、やり始めるとどんどんお庭がスッキリしていくことに達成感を感じ、終わった時にはとても感謝していただけて、こちらまで嬉しくなりました。
お家の方は、暑い中でも様子を見に来てくださったり、私たちが帰った後もまた自分で作業をされるようでした。長く住んで大切にしてこられたお庭なのだろうな、と感じられました。お庭の植物のことを教えてくださったり、歳を重ねてもご自身の家やお庭の世話をできる限り続けていかれたりと、こちらが学びになることが多くありました。
商店街を歩いていると、戸所さんに声をかけていかれる高齢者の方にお会いして、たくさんの方にとって大切な存在になっているのだなと感じました。 行政だけの力では助けられる範囲に限界があり、家族や身内の近い関係では、逆に助けを自分から求められないこともあるというお話を伺って、家族でも職場でもない、第3の繋がりが必要なのだと分かりました。
今回や先月参加した結び-meさんでのボランティア活動を通して、それまで自分には見えなかった、社会で悩みや困り事を抱えた方の現状を知ることができたのが、大きな学びになったと感じます。自分も、草むしりでもそれ以外の活動でも、地域で困り事を抱えた方の少しでも力になれるような活動に、また参加したいと思います。
金谷航太郎(経済学部・3年)
今回、私が草むしりを行ったのはご高齢の単身女性のお宅で、庭には短い草から、やや太い枝まで色々な種類が生えていましたが、約1時間かけて丁寧に抜いていきました。
草むしりは祖父母の家に帰るたびに手伝っていたこともあり、作業自体は順調に進めることができました(毎回、帰るたびに椿の木を鋸で伐採していました)。非常に細いうえに室外機もあって、1人でも歩けない道もありましたが、壁を乗り越えたりしながら生えていた雑草をきれいに抜き取ることができました。
1度だけの参加になってしまいましたが、また機会をいただいたらぜひ参加をしたいと思います!
鈴木遥香(経済学部・3年)
私が草むしりをしたのは、1回目は高齢女性1人暮らしの1軒家、2回目は都営団地、3回目は1軒家のお宅でした。長い枝をそのままゴミ袋に入れると破けてしまうため、ハサミで切るのがとても握力を使うため、大変でした。ですが、1時間であっという間に綺麗になり、感謝していただけたのが嬉しかったです。また、綺麗になった状態を見て、達成感がありました。
TEN-SHIPアソシエーションの戸所さんは、「1人で暮らしている高齢者の方は1週間誰とも話さないこともある、そのような時に気軽に話ができる商店街を作っていきたい」と仰っていました。確かに1回目の草むしりで伺った方は話している時、とても嬉しそうにしてくださっていた気がします。ただ単に草むしりをするだけでなく、話し相手になることで少しでも元気になっていただくのも、このボランティアの重要な役割の1つなのではないかと思いました。
草むしりボランティアを通じて学ぶことがたくさんあったため、今後も機会があれば参加したいと思いました。秋、冬だと夏よりも熱中症になりづらいですし、1日に2軒くらい行けると思うので、また涼しい季節に行ってみたいと思いました。
土肥恵(法学部・2年)
戸所さんのお話の中で、地域に密着した戸所さんのような人が、もっと増え、地域ごとに存在しなければならないというようなお話をされていたことが、とても印象的でした。
生活の中において、なくてはならないとは言えないものの、お庭などの手入れやお片付けのお手伝い等は、人々に生きる意味や活力を与えるため、そうした活動のサポートを行うことは重要である。しかし、行政やデイサービス等の事業では、1人1人の要望に対して答えることが難しく、必要最低限のことしか出来ないということに関して、今回、お話を聞かせていただくことによって初めて知ることが出来ました。
都市部だからこそ生まれる、人と人との心の距離によって、独り身のご高齢方々が孤立してしまうという問題は、きっと笹塚以外のどんな地域でも課題として持っていて、解決して行かなければならない問題であり、戸所さんのような、地域の方1人1人と丁寧に向き合っていく人が大切であると思いました。
草むしりボランティアを通じて、様々なことを考えるきっかけになったため、今後も参加しながら、色々なことを学び考えていきたいです。
萩原稜久(経済学部・2年)
2日間、ともに一軒家のお家のお庭を草むしりさせていただきました。
1回目に伺ったお宅は、高齢女性の方と息子さんの2人暮らしでした。私は玄関前の部分を担当したのですが、玄関前だけでも1時間ほど草をむしると疲労がすごく、もし自分がこのような大きい庭を高齢になって所有していたとしても手入れは出来ないと思いました。その点で、私たちのような若い人が草むしりをして、お庭の手入れを手伝うことはあまり目立つことではないですが大切なことだと考えました。また、草むしりの終盤には、ミョウガを3つ見つけて収穫することが出来ました!ミョウガを収穫するのは初めてだったので、新鮮な体験でした。
2回目に伺ったお宅は、高齢女性の方の1人暮らしでした。1日目と異なり、参加メンバー全体で伺って草むしりをするというかたちだったので、思っていたよりもスムーズに進みました。また、彼岸花など、1日目に行ったお宅では見られなかった植物があり、生えている植物の特徴に違いがあって興味深かったです。
活動を通して、草むしりをすることで、地域の方の助けになっているということが感じられて非常に嬉しかったです。このような地域の方々とより身近に関わる機会がさらに増えて、地域の活性化にも繋がると良いなと感じました。
今回の草むしりと以前の笹塚小学校での学習支援を経て、今まで、通学時の電車の沿線上という認識しかなかった笹塚という地域を知ることが出来て、身近な存在になったなと感じました。笹塚だけでなく、様々な地域に今後も関わり、多くの学びを得たいです!
星亮成(経済学部・3年)
最終日に伺ったお宅には立派なお庭がありましたが、学生スタッフ複数名で取り組んだため1時間程度で作業を終えることができました。短時間の作業でもかなりの量の汗をかきましたし、十二分の疲労感を覚えました。家主の方は普段からお庭を手入れなさっているようで、きっと苦労されているだろうと想像しました。
草むしりを始める前に家主の方が「これくらいの時期には彼岸花が咲いてくる」などたくさんお話してくださって、お庭を大切にされていることがよく伝わりました。
手入れの苦労や、家主の方の庭を思う気持ちなど、実際に活動に参加して初めて分かることは多いと感じました。これからも、知識だけではなく自身の体験から得られる学びを大切にしていきたいと考えます。
宮下采音(経営学部・1年)
地域の人との繋がりをさらに増やしていきたいと思い、今回このボランティアに参加しました。私としては2時間程度草むしりをしただけのことでしたが、訪問先の女性は「とっても助かったよ、自分1人じゃなにもできないからね」と仰っていました。誰かにとっては些細なことが誰かにとって大きな助けになるということを、今回身をもって実感することができました。これからもボランティアをする上で自分にとっては小さなことでも誰かの役に立つということを念頭に置きながら活動していきたいです。
今後もこのような個人のお宅に訪問して何か助けとなるようなことをしたいと思いました。笹塚地域のボランティアに今夏は多く参加させていただいたので、これからも笹塚地域とのつながりを増やしていきたいです。
山﨑柑奈(文学部・1年)
私は、一軒家のお庭の草むしりをしました。初めての参加だったので、雑草がたくさん生えてしまって、手も付けられないような状態を参加する前は想像していました。しかし、お庭には様々な植物が植えられていて、雑草は生えているものの、素敵なお庭でした。
今回草むしりをしたお宅に住んでいる方は、植物がお好きなようで、草むしりをする前に、「ここは抜かないで欲しい」、「この枝は切って欲しい」とリクエストしてくださいました。ご高齢で自分自身のことに精一杯だと思いますが、ここまでお庭に対してこだわりがあることに、「すごいなぁ〜」と感じました。
草むしり後、少しだけ家主の方とお話することが出来ました。そのときに「アロエを育てて、髪の毛に塗ってるの〜っ」と教えてくださいました。ご高齢なのに、お庭にこだわっていて「すごいな〜」と感じていましたが、ご高齢になって遠出が難しいからこそ、四季を感じられる場所がお庭しかないから、たくさんこだわっていらっしゃるのではないかと考えました。
今回の草むしりを通して、高齢者の過ごし方について考えさせられました。いくら長生きが出来ても、QOLが保たれていないと、本当の健康ではないなと感じました。そのためには、今回のように四季を感じられたり、何かこだわりがあるもの、生きがいを持つことではないかなと考えました。そのためには、周りの人がサポートする必要があります。
このサポートについて、今回お世話になった戸所さんの活動がまさにそうだなと思いました。戸所さんが街中を歩いていると色んな人が声をかけているのを見かけて、色んな人の心のよりどころとなっているのだなと感じました。市役所や区役所の活動ではQOLまでカバーしてくれません。そのカバーしきれない部分が戸所さんの活動であり、「十号のいえ」なのだなと感じました。「十号のいえ」のような場所が、もっと全国的に広まっていったらいいなと思いました。