「生きている図書館はじめました」AGUヒューマンライブラリー開催レポ―ト
6月26日(土)ボランティアセンターでは、学生に向けた多様性の理解促進と偏見の低減を目的として、オンラインによる「AGUヒューマンライブラリー」を開催しました。
当日は「見えない障がい・高次脳機能障害」「ロリータファッション」「元難民・ロヒンギャ族」「パンセクシュアル・不定性Xジェンダー」「アイヌ」のカテゴリーとして5名の方に「本」として参加いただき、14名の本学大学生が「読者」として「本」のみなさんとの「読書(対話)」をしました。
※ヒューマンライブラリーとは、「人を貸し出す図書館」とも呼ばれ、図書館で多様な本と偶然出会うように、普段の生活の中ではなかなか触れ合うことのできない様々な背景を抱えた人々との直接的な対話を、一対一や少人数で行う仮想演劇空間による対話型イベントです。2000年デンマークのロックフェスティバルで開催されたことを始まりとして、現在世界90カ国以上で開催されています。
「読者」は事前に当日「読書(対話)」をしたい「本」を3冊予約し、それぞれ30分間の対話をZoomのブレイクアウトルームに分かれて行いました。
「読者(参加学生)」の感想からは、
・一人ひとりが自分として生きる強さを感じさせられ私はどうなのかと考えさせられた。
・マイノリティとされる人への特別視が時に偏見や差別を生み得るのかもしれないと感じました。尊重をしたうえでの見方や個性を認め合える社会が必要だと改めて感じました。
・相互にコミュニケーションをとっての多様性・多文化理解への取り組みは講義や資料などの一方通行になりがちなものよりも学びも多く、新たな発見が得られました。
など、多様な「本」のみなさんの語りと対話を通じて、多くの学生が「多様性への理解」や自身の「偏見」への気付きやその低減に繋がったことが読み取れました。
また、今回は多様性理解や多文化共生に関心のある学生6名が「司書」となりイベント運営を担いました。それぞれがマイノリティに関する学びを共有し深めつつ、担当する「本」との事前打ち合わせを行いながら「本」の方の「あらすじ」を作成し、「読者」に「本」の魅力を発信する取り組みを行いました。
今回、「司書」として実践的に企画運営を経験した学生や、「読者」として多くの気づきを得た学生が、今後の多文化共生社会においてその経験を活かしていけることを期待します。そして、「本」として協力いただいたみなさまへ深く感謝すると同時に、ともにダイバーシティな社会を目指し今後もさらに協働していけることを願います。