2021年9月15日と16日の2日間、途上国の課題を解決するためのプロジェクトを立案するワークショップ型研修プログラム「国際協力プランナー入門」を青山キャンパスで開催しました。本年度で3回目となる同プログラムには20名の大学生・大学院生が参加しました。
本プログラムは入門レベルではありますが、これまで国際協力やSDGs(持続可能な開発目標)について詳しく学んだことがない学生を対象に、わかりやすく導入講義でSDGsについて学んでもらい、その後グループワークやゲスト講師の講義を経て、架空のプロジェクトを作成するという若干ハードな内容となっています。
そして、いわゆるロジカルシンキング(論理的思考)の手法を用いて「学校に通えない子どもたちがいる」という課題に対し、課題を取り巻く人々、組織の洗い出し(関係者分析)、課題が発生する原因と結果(問題分析)、解決するための目的とそのための手段(目的分析)をグループに分かれて行いました。プロジェクト作りに先立ちフィリピンの都市部にあるスモーキーマウンテン(ゴミ山)でゴミ拾いをして暮らす家族の生活がケースとして用いられました。
4つのチームではそれぞれの分析ごとにプロジェクト企画会議を設け、各チームで取り組むべき課題を選択し、状況を改善するためのプロジェクト内容を①プロジェクト目標、②ターゲット、③実施期間、④予算、⑤実施場所、⑥アウトプット、⑦活動、⑧投入という項目に沿って最終的にはアクションプランという形にまとめました。
完成したプロジェクトは次のとおりです。
<チーム:チャイルドホーム>
プロジェクト名:小学校と連携した孤児院をつくろう!
ターゲット層:スモーキンマウンデンで働く親のいない子どもたち・30人
活動目標:スモーキーマウンテンで働く親のいない子どもたちが小学校に通えるようになる
内容:小学校に併設した孤児院を建設し、孤児たちが暮らせ、学校の宿題などに取り組める場を作る。小学校の敷地に農園を作りコミュニティ全体で管理し食事サービスも提供する。
<チーム:2班>
プロジェクト名:コミュニティプロジェクト
ターゲット層:子どもがいる家族・700世帯
活動目標:家賃の支出を抑え学費が払える家族を増やす
内容:安価で暮らせ、スラムより安全なコンテナハウスを建設し、コミュニティを形成する。共同菜園や養鶏なども行い、家計の中から家賃や食費の支出を抑え、教育資金に充てられるようにする。
<チーム:160>
プロジェクト名:スラムに活気を!
ターゲット層:20〜30代の親・2万人
活動目標:20〜30代の人の働き口を増やす
内容:工芸品などを製造する工場を作り、ワークショップなどを通じて再生可能な材料で工芸品を作る技能を身に着ける。NGOの協力のもと商品の販路を拡大さ、生計を安定させる。
<チーム:えはさんもいるよ>
プロジェクト名:家族・学校・仕事!三位一体
ターゲット層:10歳未満の子どもが3人以上いて貧困ラインの収入の1/5以下の家庭
活動目標:子どもの教育費を払う仕組みを作る
内容:親がより良い仕事につけるよう職業訓練所を開設し技術を身につけさせ、賃金の一部を教育資金として積み立てる組合を設立する。そして親にも教育の重要性を理解してもらえるようなイベントを職業訓練所で開催する。
各チームのプレゼン後は互いのプロジェクトに対して、予算およびターゲット数の設定根拠やプロジェクトの実現可能性などについて活発な意見が飛び交いました。
2日間すべてのカリキュラムを終えた学生たちは「ジュニア国際協力プランナー」の認定証を手にし、充実した表情で会場を後にしました。
国際協力プランナー入門の概要についてはこちら