2022年11月29日(土)「ヒューマンライブラリー@青学」を開催しました。
ヒューマンライブラリー(以下、HL)とは、別名「人を貸し出す図書館」といわれ、その人の持っている属性 ・ 要素 ・ 特徴や価値観によって誤解や偏見を持たれた経験があったり、 「生きにくさ」 「世の中の多数とのズレ」 を感じたことがあり、 それらを知ってほしい、 変えたいと思う人々が 「本」 となり、参加者(聴き手)が 「読者」 として、一対一または少人数で30分程度の対話をするイベントです。
昨年度はオンラインでの開催となりましたが、今年度は対面にて「ヒューマンライブラリー@青学」を開催しました。(昨年度のレポートはこちら)
今年の「ヒューマンライブラリー@青学」では、有志の学生メンバーによる「ヒューマンライブラリー学生司書プロジェクト」として学生が企画運営に携わり、それぞれが多様性やマイノリティの理解について学びを深めつつ、当日参加いただく「本」役の方たちを探し、依頼し、打ち合わせを行い、広報から当日運営までを担いました。
今年は5名の方に「本」役となっていただき、それぞれの人生について「読者(参加者)」と語っていただきました。
30分間の各セッションでは、その時々で「本」と「読者」がつくりだすオリジナルな時間と空間があり、そこで語られる内容はその場限りの対話の時間となりました。
読者(参加者)の反応からは、
「ネット上の知識で捉え方が止まっていることを強く認識しました。カテゴライズに固執しすぎず、皆が理解し合える社会を築くにはどうしたらいい良いか深く考えて話し合いたいと思いました。」
「実際どのような心情であったかを知ることができて、その「本」に対する捉え方の視野が広くなりました。幅の広さを実感し、いろいろな人の話をもっと聞きたいと思いました。」
など、対話を通じて、ネット等のメディアで作り上げられたマイノリティに対する画一的な捉え方が、その個別性や背景にある構造、交差性に気付く機会になったようです。
また、本役の方からは、
「安心な環境で自分を語れること。自分の属性について、異なる立場から新たな視点での質問を頂けることで自分を見つめ直す機会になった。」
「一冊の本でも読み手によりさまざまな解釈で読まれるという広がりが、リアルに感じられた」
など、講演会や勉強会とは違ったヒューマンライブラリー独特の語りの機会から、本役の方にとっての気付きの機会にもなったとご意見をいただきました。
ヒューマンライブラリーを通して、大学や学生が社会や地域の様々な方々と出会い、つながれる機会ができたことを嬉しく思うと同時に、今回のイベントに協力してくださったみなさまへ心より感謝申しあげます。