私は、7月に藤野里山体験ツアーに参加しました。普段は青山キャンパスに通っていますが、家自宅や大学の周りには自然を感じられる場所が少なく、自然豊かな場所でいつもと違う体験がしてみたい!という思いから、「都心に一番近い里山」という言葉に惹かれ、このツアーへの参加を決めました。
体験する場所で訪れたお宅の敷地には、目の前に小川が流れており、木漏れ日が差し込むとても涼しく気持ちのいい場所で、着いた瞬間、体感温度が下がったのがわかるほどでした。
ツアーの内容では、竹を使って自分の食器とお箸を作り、その後作ったうどんをそのオリジナルの食器で食べるという体験が、一番印象に残っています。
竹を使って流しそうめんをするセットは見たことがありますが、自分で竹を割ったりヤスリで削ったりして、形を作るのは初めての経験でした。なかなかうまく形が作れず、綺麗に完成させるのは難しかったですが、地域受入宅の方が丁寧に教えてくださり、参加者それぞれ竹の削り具合を変えるなど、工夫してオリジナルの食器を作ることができました。
うどん作りでも、平たく太い状態のうどんを、一人ずつうどん作りの機械を使ってハンドルを回し、細い一本一本にする作業を体験させていただきました。
いつもは買った食器や冷凍うどんしか使わないところを、一から作るのに近い工程を体験できたことで、便利さだけを享受するのではなく、ものを作る苦労や喜びに触れることができました。
また、活動の中で地域を歩いて植物について教えていただいたり、地域の方とお話しするのも楽しい時間で、気づきや発見もありました。
今回のような竹を使った工作やうどん作りは、かつては子ども向けのイベントで、大学生向けに開催して参加者が集まるのか疑問だったとお話しされていました。
しかし、多くの参加者が、自然の中でのいつもできない体験をとても楽しんでいました。
それは、藤野の方々にとっては日常になっている、自然の中で生きる生活が、都心で生活する多くの学生にとっては非日常で新鮮で、そのような生活から学ぶことがたくさんあるから、私たちにとってとても価値のあるツアーになったのではないかと思いました。
近年は、自然体験のツアーが人気を博している一方で、過疎化や人口の流出が進み、課題もあるそうです。
私たちは、このような都心にない自然に恵まれた魅力的な地域がなくならないよう、また今回私たちが教えていただいたような知恵が受け継がれていくように、できることを考えていかなければならないと感じました。まずは、自分が体験したことを周りの人にも伝えていき、よりたくさんの方に藤野を訪れ、魅力を知ってほしいと思います。
参加日:2024年7月6日
文学部日本文学科4年 新井 真由子