学生スタッフ 鈴木遥香(経済学部現代経済デザイン学科3年)
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学生スタッフを志望した理由
私は主に2つの理由からシビックエンゲージメントセンターの学生スタッフを志望しました。1つ目は学生のボランティア活動への関心を高め、困っている人のために何かしたいと思う人を増やしたいと考えたからです。私は、高校時代から現在までの様々なボランティア経験から、ボランティアで得られるやりがいや楽しさを学生に知ってほしいと思っています。しかし、私の周りにはボランティアへの関心が薄い人や、関心があっても機会がなく参加していない人が多いと感じています。青山学院大学の立地の良さと多くの人を集められるという特性を活かし、自身の経験なども発信しながら、学生のボランティア活動を促進したいと考えました。2つ目は、学生と地域社会の結びつきについて学びたいと考えたからです。私は、ゼミで「地域活性化・街づくり」について学習しており、それらの分野に強い関心を持っています。ボランティア活動を通して様々な地域について学ぶと同時に、学生と地域社会の繋がり形成に貢献したいと考えました。
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夏休みの活動について
① 知的障がいのある子どもたちと水族館にお出かけ
② 渋谷区立笹塚小学校で学習支援
③ 笹塚の高齢者住宅で草むしり
夏休みには、以上の3つのボランティア活動を行いました。①では、知的障がいのある子どもたちとそのヘルパーさんとのお出かけをサポートする役割として、学生スタッフがそれぞれの担当の子と水族館でイルカショーなどを楽しみました。②では、勉強が苦手な子どもたちに楽しく勉強してもらうことを目的に、校長先生のご指導の下、子どもたちが夏休みの宿題をする見守りやお手伝いをしました。③では、笹塚の高齢者宅を訪問し、庭の手入れをするのが困難な方の代わりに、草むしりするという活動をしました。
また、8月と9月に1回ずつ学生スタッフのミーティングを行いました。8月のミーティングでは、過去のボランティア経験やこれからやってみたいことについて意見を出し合いました。学生スタッフとして活用できる繋がりを共有したことにより、さらなるボランティア活動への意欲がわきました。9月のミーティングでは、今後のチーム分けについて確認し、それぞれのチームでの具体的な活動内容の希望について話し合いました。それぞれのミーティングの前にはレクリエーションの時間を設けたことで、メンバー同士の仲を深めることができました。
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印象深かったこと
草むしりボランティアの活動では、渋谷区の笹塚十号通り商店街で屋根のある公園のような居場所づくりを目指して、「十号のいえ」という場所を立ち上げられた戸所信貴さん(TEN-SHIPアソシエーション)に大変お世話になりました。私は、戸所さんの、「1人暮らしのお年寄りの方々は1週間誰とも話さないこともある。そのような時に気軽におしゃべりができる商店街を作っていきたい。」という言葉に感銘を受けました。全ての人に寄り添い、だれも取り残さない街づくりを目指していることに感動したからです。
草むしりは計3回参加し、1日1軒お伺いしましたが、戸所さんが仰っていたように、お宅の方は私たち学生と話している時とても嬉しそうにしてくださっていたことが強く印象に残っています。このことから、単に草むしりをするだけでなく、話し相手になり、元気を提供することも私たちボランティアの重要な役割なのではないかと感じました。
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得られたこと
【やりがいを感じた瞬間】
私は、ボランティア活動のなかで、言葉で感謝していただけた時に改めて「やって良かった」という思いが強く湧きました。草むしりでは、訪問したお宅の方から「本当にありがとう。」と感謝の気持ちを伝えていただきました。水族館ボランティアでは、一緒に回った子に「今日はありがとう!」と言ってもらい、ハイタッチをしてお別れしました。学習支援ボランティアには3日間参加しましたが、担当したクラスの子どもたちが最終日のお別れの際に、悲しんでくれたことがとても嬉しく、やりがいを感じました。
【活動を通じて考えたこと】
「ありがとう」と感謝していただけたのは非常に嬉しく、やりがいを感じましたが、一方でこちらが「助けてあげている」という形ではなく、手助けするのが「当たり前」な世界を作っていきたいと思いました。例えば、電車でからだの不自由な人や高齢者に席を譲るなど、些細な事を当たり前に行える温かさを持った人で溢れる世の中になってほしいと思います。夏休みの活動を通し、水族館での付き添いボランティアでは知的障がいのある方への差別の問題、学習支援では教育の問題、草むしりでは一人暮らしの高齢者の問題などと様々な社会問題を考える機会となり、貴重な経験ができたと考えています。
【自分のなかでの変化】
夏休みに参加した活動は、半日のみ、数時間のみのボランティアが多かったため、最初はここまで様々なことを学べるとは思っていませんでした。また、人と人との繋がりをその短い時間で作れるのか分からないでいました。しかし活動後には、私の中で知的障がいのある方への意識が変わったり、笹塚という街の温かさを知ったり、多くの学びがありました。さらに、今回関わった方々と今後も長期的に携わることができると知り、学生スタッフとして自ら関わっていけることに喜びを感じました。
これらのことから、まずは様々なボランティア活動に関わってみることが大事で、私の場合は夏休みの間にそうした経験ができたことで、ボランティア活動への参加意欲がより高まったことを自身で強く感じました。
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これから挑戦したいこと
私は夏休みの活動を通してとくに笹塚という地域への関心が強まりました。実際に笹塚でより良い街づくりを目指し、活動をされている戸所さんの笹塚への想いを聞くなかで、私自身も携わりたいと考えるようになりました。これから笹塚商店街の活性化を目的とするイベント企画や人々の交流が生まれる場作りをしていきたいと考えています。