私は日本に留学した当初から地域の国際交流団体のボランティアの方々にいろいろ大変お世話になっていました。
例えばテキストを暗記して覚えた固い表現をしている日本語やアニメやドラマを通して覚えた癖がある日本語ではなく、日本人が実際に使っている自然な日本語を教えて頂いたり、ゴミの分別方法、小銭の使い方など生活の知恵まで教えてもらいました。
皆さまの温かくしかも何も報酬を求めず奉仕精神にもとづく支援のおかげで、初めて海外での生活は何も不自由なく安心して過ごすことができました。
その頃から、自分も余裕があれば誰かの役に立つボランティア活動をしたいと強い思いがありました。
2022年夏休み前、青学の事務ポータルを通して「教職員ボランティア活動補助プログラムのご案内」の一環として東京ボランティア・市民活動センター主催の「夏の体験ボランティア」の情報を知り、参加してみようと思いました。たくさんあるボランティア活動の中、最も注目したのは「認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい」の貧困者に食料品を配布する活動でした。注目した理由は元々自分自身がいろんな社会問題について興味があったこと、また、「貧困」という言葉は先進国である日本のイメージとは相応しくない違和感が少しあったかもしれません。
活動の前日、担当者よりもやいという組織の説明及び活動の意義や内容について一時間程度オリエンテーションをZOOMで受けました。そのオリエンテーションを通して初めて日本の貧困状況及びもやいの方々がこれまでどのような社会貢献活動を行ってきて、これからはどういう方向で支援していくのを知ることができました。
いよいよ本番の8月27日(土)12時30分、都庁の周辺にもやいのスタッフとボランティアの先輩の方々と集合し、先ず説明及び諸注意事項を聞いた後、配布する食料品の準備から始まりました。当日は、主食になるパンや災害用非常食など及び野菜、果物などを寄付頂きました。我々ボランティアはその数種類の食料品をバランスよくセットにして一つ一つのビニール袋に綺麗に詰める作業をしました。
配布は14時から始まり、当日は555名の方が受け取りにいらしたそうです。ボランティアの方は二人で一組となり、丁寧に両手でそして笑顔で「どうぞ」と言いながら、持ちやすいように直接に手渡したり、持ってきた袋の中に入れたりしていました。555名全員に一周配布した後、食料品にまだ余りがありましたので、希望のある方にもう一度列を作って頂き、二周目も配布しました。
15時頃、皆一緒にこの活動を振り返り、活動の実施状況を共有し、各自(特に初体験の方)の感想を語り合い、活動を終了しました。
今回のボランティア活動を通して、先ず貧困という社会現象を身近に触れることができて、貧困(例えば見える生活上の貧困や見えない信用貧困など)についての理解を深められました。そしてこの活動を通して困っている方々の直接に役に立つことがとても嬉しく思います。
さらに今後も社会貢献のために何かできることがあるか考える社会意識が高くなったことに気づき、その後「認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい」に正式的にボランティアの一員として登録することにしました。
(東京ボランティア・市民活動センターの情報誌「ネットワーク10月号(No.380)」にも夏ボラ体験談が掲載)